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間口狭小で再建築不可物件の相続

お客様のご状況

ご相談者Aさんは、一人暮らしをしていた弟Bさんの相続が発生して、住んでいた土地・建物を相続しました。土地・建物は売却して他の相続人の兄弟姉妹(甥姪を含む8名)で売却代金を分けたいのですが、どのようにして手続きを進めたらいいのかわからないとのことでした。対象の不動産を調べたところ、旗竿地となっていて、間口の部分が2m10㎝ほど足りず、建築許可がおりない不動産であることがわかり、相続手続ができても売却が困難(あるいはものすごく安い金額での売却)であることがわかりました。

相続人関係

・被相続人Bさん

・ご相談者Aさん

・他の相続人兄弟姉妹(甥姪を含む8名)

財産状況

被相続人Bさんの財産の状況は、下記のとおりです。

・ご自宅土地建物

・預貯金少額

当事務所からの提案&お手伝い

・被相続人の出生~死亡までの戸籍謄本、両親の出生~死亡までの戸籍謄本、兄弟姉妹のうち亡くなっている人(被代襲者)については死亡までの戸籍謄本、相続人全員の戸籍謄本を取得し、相続人を確定させました。

・名寄帳、残高証明を取得し、相続財産の調査を行いました。

・地積測量図から旗竿地の間口が2mに満たないことが判明し、このままでは売却が困難であることがわかりました。

・不動産はAさん名義にして、Aさんが売却して売却代金から諸費用を差し引いた残金を相続人8名でわけるという換価分割の内容の遺産分割協議書を当事務所で作成しました。

・相続人の中には遠方にお住まいの方もいらっしゃったので、相続人全員が一同に会して遺産分割協議書に署名捺印することは困難であるため、各人で署名捺印する遺産分割証明書を作成し、当事務所で各相続人それぞれに郵送して署名捺印を集める形を取りました。

・遺産分割協議書の準備と並行して、旗竿地の間口を2mにする方法を検討し、対象土地のお隣の土地の所有者Cさんから、2mに足りない10㎝分を売買か贈与により取得することをご提案しました。

Aさんに提携の不動産業者D社を紹介し、Aさんからお隣の土地の所有者Cさんに10cmの取引について交渉してもらいました。お話合いには、当事務所、不動産業者D社も同席し、法務面、不動産実務面のバックアップを行いました。

  1. 結果

・遺産分割協議、相続登記はスムーズに終わり、Aさん名義となった後に、Cさんと間口の10cm部分と対象土地の一部を交換する契約が成立しました。

・交換の登記も当事務所でサポートさせていただきました。

・交換後、晴れて間口2m以上となった物件を、不動産業者D社の仲介により、再建築不可の場合の3倍程度の値段で売却することができました。

・翌年の確定申告(譲渡所得税の申告)も当事務所提携の税理士事務所を紹介しました。

 
この記事の執筆者
吉田研三司法書士事務所 代表 吉田研三
保有資格司法書士、家族信託専門士、相続アドバイザー認定会員、その他
専門分野相続・生前対策
経歴司法書士事務所を経営していた父(吉田雄三司法書士事務所)の病死をきっかけに司法書士を目指す。 司法書士試験に合格した翌年に、先代の吉田雄三司法書士事務所と同所にて吉田研三司法書士事務所開業。
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